子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「ちょっ! ちょっ、ちょっと待ってぇ~!」
「なんだよ。いきなり大声出しやがって。さっきも言ったけど、近所迷惑だから大声出すな」
「うっ……」
一応、言われたので声のトーンを気持ち、落としてみた。
「け、圭くんっ!」
「ん?」
「と、とりあえず、どいて」
「え? あ、ああ…」
肯定の言葉を呟きながらも、圭くんは動こうとはしない。
「け、圭くん? どうして、退いてくれないの?」
「あ~…。
この体勢って、かなりよくない?」
「な、なにがっ!?」
ドキドキしながら圭くんに聞くけど、圭くんはにやりと笑う。
その笑みに、どう考えてもあたしにとっていい答えではないことが想像できた。
圭くんはあたしの肩口に顔を埋めてきたかと思うと―――…
「茅乃が大人の世界に一歩踏み入れることに―――…」
そう、耳元で囁いたのだった。