子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「ねぇ、圭史くんっ!」
「―――ん?」
腕を揺さぶられて、俺は隣に座るあゆを見た。
「圭史くんって、誰かお付き合いしている人っているの?」
「―――え゛?」
突然のあゆの質問に、俺は顔を引きつらせる。
なんだって、今この場でそんな質問を?
別に聞かれて困るような質問ではないが、時と場所だけは選んでくれ。
ふと、視線を感じ周りを見ると、案の定、親戚連中の視線が俺に一気に集中していた。
こ、これは、ここで言わないわけには―――…
「いるわよ!」
そんなことを思っていると、横からあっさりと俺の代わりに言ってしまう食えない母親。
途端に、俺に向けられていた視線は母さんのほうへと向けられる。
「―――え、えぇ~!?
うそ…、嘘だよね!?」
みんなの視線は母さんのほうへと向けられているのに、隣に座っているあゆは切羽詰まったような顔で俺に身を乗り出して聞いてくる。
ち、近いって!
大きな目でじ~っと俺のことを見てくるあゆに、俺は視線を逸らしながらも「本当…」と告げる。
その途端、急に風船が萎んだかのように、体を弛緩させるあゆ。