子供+大人=恋?の方程式(応用編)
店の中だというのに、大きな声を出してしまったあたし。
だけど、今はそんなことを気にすることもできなくて―――…
「ちょっ! ちょっと、圭くん!!」
慌てて圭くんの手にある雑誌を取ろうとするものの、身長差が邪魔をする。
ぴょんぴょんと跳ねてなんとか取ろうとするものの、圭くんはそれを高く上げて表紙をジッと見た。
それから、にやりと笑いあたしのことを見てくる。
やばい……。
見られた…というより、知られた!!
「え、えっと……。
あたし、今日は早く帰らなくちゃ! じゃあね!」
ぐいんと回れ右をし、その場からダッシュで逃げ去ろうとする。
だけど、あたしの行動はワンテンポ遅かったみたい。
「ちょっと待て」
逃げ出そうとしたあたしの腕を圭くんの力強い手が掴む。
ヒ~~~ッ!!!
離して~~~!!!
ブンブンと手を振り、なんとか引きはがそうとするけど、圭くんの手は緩まることもなく、あたしの手が外れることもない。
逃げたい!
早く、この場から逃げ去りたい!!
「よし、茅乃。この雑誌は俺からお前にプレゼントしてやろう」
「け、結構です!!」
「なんで? 気になってるんだろ? 『十代の女子の初体験!』が」
あたしの耳に囁くように言う圭くんに、まさしくその通りだったあたしの顔は、見事に真っ赤に染まる。