子供+大人=恋?の方程式(応用編)
まさかの事態に、圭くんがお会計をするためにあたしの手を離した隙に逃げればよかったのに、そんな思考さえも吹っ飛んでいてあたしはただ、ジッと静かに圭くんがお会計を済ますのを見ていた。
レジを済ますと、圭くんはまたもあたしの腕を掴んで歩いていく。
そして、本屋さんから出たところで、「ほら」とあたしに袋に入った雑誌を渡してきた。
まさか、本当に買うとは………
いらないと突っぱねようかと思ったけど、わざわざ買ってくれたわけだし……。
ここは素直にもらったほうがいいのかな?
チラリと圭くんの顔を窺いながらも、あたしはその雑誌の袋に手をかけようとした。
だけど、あと少しというところで、その袋は圭くんの手によって上へと上げられる。
「茅乃。俺、車で来てんだけど」
おちょくられたことに、ムッとしながら圭くんから顔を逸らす。
「それがどうしたの? それじゃ、さっさと車に乗って帰ればいいじゃない」
「ついでだから、家まで送ってやるよ。俺、今日はバイト入ってないし」
「―――結構です! 一人で家に帰ります!」
全く…。
やっぱり、あたしのことからかってるんじゃない!
あの雑誌だってあたしのことをからかうための道具として手に入れたとしか思えないし!
「この本……」
「ん?」