子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「はぁ…」とため息を吐くと、先に歩いていた圭くんが足を止め、ジロリとあたしへと鋭い視線をぶつけてくる。
「な、なによ……」
「あからさまに人の前で溜息を吐くな。気分が悪い」
「はあ!?」
なんなんだ!?
なんなんだ!?
そこで、自分があたしに対してため息を吐かれるようなことをしているって思わないわけ!?
む~か~つ~く~!!!
前を歩く圭くんの背中を睨み付けながら、あたしはピタリと足を止めた。
このまま圭くんの思い通りについていくのも癪だし、何よりまるであたしに対しての優しさを微塵も感じさせない圭くんに腹が立った。
「圭くんなんて、大嫌い!!」
あたしはそう叫ぶと、踵を返して全力疾走でこの場から逃げ出す。
「はあ!?」
踵を返す時に、ふと見えた圭くんの顔からは驚きの表情しか見えなかったけど、圭くんに『大嫌い』という暴言を吐いてしまったあたしとしては、今すぐこの場から逃げることしか頭の中にはなかった。
だけど―――…