子供+大人=恋?の方程式(応用編)











 あたしたち二人の傍を車が通ったことで、あたしはハッと気づく。


「うわっ!!」





 大声を上げて、圭くんの腕をいきなり引きはがすあたし。


 突然のあたしの行動に、圭くんは眉を顰めながら、「なんだよ…」と不満げに口にする。





 わ、忘れてた!


 ここがどこかってことを、すっかり……。





 繁華街ではないけど、ここは一応、道路で………。


 いつ、だれが通るかわからないような場所で――…。


 あたしたちは、一体何をやって……。


 絶対に、さっきすれ違った車の人たちはあたしたちのことを『バカップルがいちゃついている』とでも思ったに違いない。


「け、圭くん! ここは道路だよ! 公共の場だよ!」


「ああ。それがどうした?」





 どうした?って……。


 人に見られるかもしれないとかいうのがあるでしょうが!?


 恥ずかしくないのか!?





 ジッと圭くんを見るけど、圭くんは首を傾げるのみ。


 こいつ、全然わかってない。


 言うだけ無駄な気がするし……。


「とにかく…、この場所からは離れようよ……」





 ガクリと肩を落としながら言うあたしに、「そうだな」と答えると、圭くんはあたしの手を掴んだまま、マンションの方へと歩いていく。


 あたしはその圭くんの後を、従順についていった。





 マンションの敷地内に入り、階段を上がっていると――…











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