子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「け、圭くん……。あたし、帰るよ……」
「えっ!? 茅乃? 帰るって、お前、どうやって……」
少しずつ後ずさりしながら去ろうとするあたしの腕を圭くんは力強く掴む。
その時に、圭くんの後ろから見えた女の子。
その女の子が、大学で見たお姉さま方たちとは違い、少し幼さを感じさせる。
だけど、ふんわりとした髪に、大きな目からは美少女さが発揮されていて、あたしは完璧負けてる感じがした。
「圭史くん…。もしかして、その子が……」
圭くんは一瞬眉を顰めたかと思うと、諦めたように溜息を吐いた。
「あ~…、そう。俺の彼女」
「―――彼女…」
呟くように言った彼女は、あたしのことを上から下へと視線を向けてくる。
その視線が、まるで自分のことを品定めでもしているように思えた。
「それって、学校の制服だよね? ………もしかして…、高校生?」
高校生だと悪いのか!?
圭くんと釣り合わないとでも言うのか!?
そんなこと一番あたしがわかってるっての!
失礼極まりない目の前の彼女に、自然とあたしの態度も悪くなってくる。
「―――そうですけど…」
思わず後に、『それが何か!?』とつけそうになったけど、それをつけたら、すごく自分が子供っぽく感じるから、そこはグッと堪えた。