子供+大人=恋?の方程式(応用編)





 あたしは思わず圭くんの腕を引っ張る。


 それは、圭くんの言ってくれたことがあまりにもうれしくて…。なんて、ことじゃない。


 あまりにもはっきりと言いきった圭くんのその言葉に、目の前のあゆさんは耐えられなくなってしまったのか、泣き出しちゃってるし、何よりそんなことを言われたあたしは尋常じゃないくらい、すごく恥ずかしかった。


「ん? なんだよ…」


「言い方きつすぎだよ…」





 そりゃさ。


 あゆさんの言いぐさはかなりあたしも腹が立ったけど、その言い分も間違っているけど、結局のところは自分の気持ちを受け入れてくれなかったことに納得がいかなかったから出たことだと思う。


 それを、いくらなんでも好きな人に滅多打ちにきつい言葉を浴びせられたら、さすがに普通の女の子ならきついと思うし―――…


「うわ~ん!」





 そう思っていると、案の定あゆさんはここがマンションだとか人の目があるかもとか気にもせずに大声で泣き出した。


「ちょ、ちょっとあゆ!」





 さすがの圭くんもこれには大慌て。


「酷いよ~~! 圭史くん、あゆのことお嫁さんにしてくれるって言ったのに~~!!」


「はあ!? だから、それは子供の頃のことなんだろ? 俺、そんなこと言ったの全然覚えてないし…」


「あゆは覚えてた!」





 子供の頃?


 約束?


 なんかよくわかんないけど、二人の関係は一体?





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