子供+大人=恋?の方程式(応用編)
あまりの突然のことに、思考回路が停止してただ鳴り響く携帯をじっと見ていた。
その間も、携帯はずっと鳴っている。
どれぐらい見つめていただろう。
ハッと鳴っている携帯を思い出したところで、携帯を取ろうと手を伸ばす。
すると、伸ばした瞬間、着信音が止まってしまった。
取るのが怖い。
だけど、取らずにいたことも、また怖い………。
し、しまった~…。
先ほどまで家庭教師としてここにいた圭くん。
それなのに、出ないあたしの行動に絶対に“無視した”と思うに違いない。
「あわわわわわわ…」
どうしようと思うものの、慌てたって仕方ない。
ここはなるようになれだ。
第一、思い返すと、あたしがなんでここまで圭くんのことでびくびくしないといけないのよ!
そう思いながらも、またも鳴り響く携帯の着信音に体は素直にびくついてしまった。
わかりきっていることだけど、誰からの着信か携帯を見る。
すると、やはりそこには“水無月圭史”の名前が―――…
ハァ…と一つため息を吐いた後、私は携帯に出た。