子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「ま、そういうわけだから、俺のことはきっぱり諦めろよ。お前も彼氏いたんだろ? そいつとは別れたのか?」
「―――痛いとこ突かないでよ……」
ムスッとしたあゆの言い方に、そいつと未だに何かあると気づく。
「もしかして、そいつへの当てつけのつもりで俺のことが好きだとか結婚の約束だとか言い出したんじゃないだろうな」
「―――違うよ…。そりゃ、あいつと付き合っていた時は圭史くんとの約束のことは忘れてたけど、あゆの中で圭史くんは初恋の人として、ずっと存在してたもん」
「だけど、そいつと付き合ってた時は忘れてたんだろ?」
なんとなく、分が悪いと感じたのか、あゆが俯いたのが目の端に写った。
「―――圭史くんって、意地悪だ…」
「俺は元々、こんな性格だったぞ? それを知ってるから、茅乃ははじめ、俺のこと毛嫌いしてたぐらいだしな。まあ、必死に逃げたり抵抗する姿は、かなり面白かったけど……。あいつ、俺に暴言を吐く癖に、その後に俺がそのことでいじめようとすると、途端にしまったって顔するんだよな~…。あれは、かなり面白い。あいつも、俺と一緒にいたら、学習すると思うんだけどな…。そういうと、逆に俺にやられるってことに。それなのに…」
「はいはいはい。もう、いいよ。圭史くんが、彼女のことをすごく好きなことはよ~くわかったから。ちゃんと、あゆはきっぱりと圭史くんのことは諦めます!」
「そうかそうか。お前は俺なんかよりも、その別れた男とよりを戻せよ」
「なっ! なんでよっ!」
「何が原因で別れたかは知らないけど、お前、まだ、そいつのこと好きだろ?」
「す、好きじゃないよ!」
そうやってムキになっているところが、証拠だっつうの。