子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「余計な意地ばっかり張って、後で後悔しても遅いんだぞ」
「だって……」
信号が赤になったところで、俺は隣に視線を向ける。
頬を膨らませて、口を尖らせているあゆを見ると、俺に見せてきた大人びた姿ではなく、これが本来のこいつの姿なんだと思った。
「別れたにしろ、そんな風に未練を残しているぐらいなら、ダメもとでもう一回ぐらい、自分の気持ちを言えよ。それでも、ダメなら、吹っ切って前に進めばいいだろ?」
「―――他人事だから、圭史くんはそんな風に簡単に言えるんだよ…」
「まあ、確かに他人事だな。とにかく、どうするかはお前が決めればいいさ。このまま、未練たらたらで過ごしていくのか、それともきっぱりさっぱりと告白して前へと進むのか」
「―――あいつの隣には、すでに別の女の子がいても?」
「なんだよ! そいつ、すでに彼女持ちか!? まさか、別れた原因はそいつの浮気……」
あゆがまだ想いを残しているようだから、てっきり喧嘩別れか何かだと思い込んでいたが………。
相手が浮気をしたとなると…。
おまけに、その相手には次の女が既にいるとか………。
状況はかなり、あゆにふりだな。
「あのさ、あゆ…」
「そうだよね! 面と向かって、言ってやらなかったから、いつまでたってもあいつのことが頭の中に残ってるんだよね!」
そこまで複雑なことだとは思ってなかったから、簡単に言ってしまったが………。
だけど、どうやらよかったみたいだ。