子供+大人=恋?の方程式(応用編)
『どうして、さっき出なかった―――…』
いつもよりも低い声に、圭くんが怒っていることがわかる。
「えっと…。
ちょっと、ボ~っとしてたら出ようとしたところで切れちゃって…」
もっと上手い言い訳があるだろうに、私の頭にはそんないい言い訳なんてものが見つからず、正直に答えてしまった。
『・・・・・・・・』
無言がなんとなく恐い―――…
『まあ、いい。そういうことにしといてやるよ』
「いやいや、本当のことだから」
『ああ。そんなことはどうでもいい』
どうでもいい!?
それなら、そんな無言の圧力かけてくるなっての!
別に携帯に出ないからって怒る必要もないじゃないっ!
『お前、今から少し出てこれるか?』
「―――なんで?」
すでに時刻は八時を過ぎている。
別にママは、あたしがこんな時間に出て行こうとも何も言わないと思う。
ましてや、その相手が圭くんだとわかると喜んで送りだしそうなもの。
だけど、こんな時間に出て来いなんてあたしには嫌な予感しかしない。
『ちょっとな…。
話さなくちゃいけないことがあったのを思い出して』
「どうせ、明日には会うじゃない。
明日じゃダメなの?」
『ちょっとな……』
……ん?
なんか、意味ありげ?
歯切れの悪い圭くんの言葉を聞くと、何かがあったらしい。