子供+大人=恋?の方程式(応用編)
*
漸く家へと戻ってくることができた俺。
別にそれほど道が混んでいたわけでもなかったけど、それでも、駅までの往復では茅乃と別れてから三十分ほど経っていた。
あいつ、どうしているだろうか?
帰るなって脅しはかけておいたから、帰ってはいないはず……。
帰ってくるのが遅かったから、むくれてる…とか、普通の女がするような行動をしてくれているようなら想像もしやすいが、あいつは全くの別物だからな。
俺が帰ってきてどう反応してくるのかが未知数だ。
俺は部屋の鍵を開けてから、ドアを開けた。
すると―――…
「おかえりなさい!」
部屋に玄関からは背を向ける形で座っていた茅乃は振り返ってから、そう言って迎えてくれた。
「―――お、おう…」
あまりにも想像していなかった言葉に、俺はついそんな返ししかできなかった。
まさか、そうくるとは……。
おまけに、あいつにしたら無意識の行動でしかないのだろうが、俺の心を思いっきり鷲掴んでくれた。
なんか、今のやりとりって、すげぇ付き合ってる奴らっぽくないか?
「あゆさん、大丈夫だった?」
「―――え? あ、ああ…」
俺が内心、一人で喜びまわっているとは思ってもいないんだろう。
何ともなしに、茅乃は話を続けていく。