子供+大人=恋?の方程式(応用編)


「こんな時間になって、やっと連絡を入れるような形になってしまって、すみません。今から、すぐに茅乃を送っていきますので…」


『あら。

そんなこと、別にいいのよ? 二人はお付き合いしてるんですもの』


「そう言っていただけると、ありがたいのですが……」





 どういうことだ?


 話せば話すほど、どうして茅乃があんな風に戸惑った表情をしていたのかがわからないのだけど………


『それでなんだけど、圭史くんにお願いしてもいいかしら?』


「・・・はい? お願いですか?」





 全く、話の流れが理解できないのだが………。


 だけど、茅乃のお母さんにお願いをされて、無下に断ることなんてできない。


 少しでも心象はよくしておいたほうがいいに決まっている。


 それが、たとえ、有難くないお願いだとしてもだ。


「わかりました。なんでしょう?」


『ありがとう、圭史くん! こんなことなら、初めから圭史くんにお願いすればよかったわ』





 そこまで言われて、茅乃が戸惑っていた理由がこのおばさんのお願いにあるということに気づく。


 茅乃が戸惑っていたぐらいだ。


 どんなにすごいお願いごとなんだ?


『実はね…、私、これからパパとデートなの』


「・・・デ、デート…ですか?」





 おばさんから出てきた単語に、一瞬固まった俺。


 今、絶対におばさん『デート』だって言ったよな?





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