追憶の緋月桜
***
朝、いつも通りに神社の前で待っていたらお弟子さんが出てきた。
「え、緋桜は今日休みなん?」
いきなり、緋桜は今日休む、と言われては?となってもうた。
無意識に睨んでいたのだろう、
「緋桜様はお風邪をお召しになられましたので、大事をとって休むと。」
お弟子さんは一礼して、早々と神社に戻ってもうた。
暫くしたら浴衣を、身につけた緋桜が出てきた。
いつも白い頬には朱が混じっていて瞳も熱っぽい。
「なつ、ごめん、風邪をひいてしまって。」
申し訳なさそうに石段を降りてくる緋桜の頬に手を添えると熱くて、緋桜は目を細めた。
「いいんや、今日はゆっくり休みな。あと、そこにいる人は追っ払っとくな。」
笑って緋桜に目で合図すると、緋桜は苦笑いしてウチの背中を押した。
「大丈夫、微熱だから支障はないよ。遅刻しちゃだめだからね、」
背中を押されて、歩き出す。
数歩歩いて、振り替えると緋桜は笑って手を振ったんや。
あぁ、またや。
ウチの預かり知らんところや。
やから、悔しさを噛み締めながら学校まで走ったんや。
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朝、いつも通りに神社の前で待っていたらお弟子さんが出てきた。
「え、緋桜は今日休みなん?」
いきなり、緋桜は今日休む、と言われては?となってもうた。
無意識に睨んでいたのだろう、
「緋桜様はお風邪をお召しになられましたので、大事をとって休むと。」
お弟子さんは一礼して、早々と神社に戻ってもうた。
暫くしたら浴衣を、身につけた緋桜が出てきた。
いつも白い頬には朱が混じっていて瞳も熱っぽい。
「なつ、ごめん、風邪をひいてしまって。」
申し訳なさそうに石段を降りてくる緋桜の頬に手を添えると熱くて、緋桜は目を細めた。
「いいんや、今日はゆっくり休みな。あと、そこにいる人は追っ払っとくな。」
笑って緋桜に目で合図すると、緋桜は苦笑いしてウチの背中を押した。
「大丈夫、微熱だから支障はないよ。遅刻しちゃだめだからね、」
背中を押されて、歩き出す。
数歩歩いて、振り替えると緋桜は笑って手を振ったんや。
あぁ、またや。
ウチの預かり知らんところや。
やから、悔しさを噛み締めながら学校まで走ったんや。
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