恋日和。
もう何度こうやって馬緒を見ていただろう

でも…
今日で最後なんだ

「…詩紀?」
と、その時遠慮気味な声がした
それは、紛れもない真那の声で心臓が一瞬にして跳ね上がった

「真那…!?」
「詩紀、逃げないで…」
立ち上がろうとした私を真那はそっと制した

「あのね、」
いつの間にか方言を忘れている
真那は、ずっと東京で暮らしていたから本当は方言なんか話さないのに必死になって覚えたんだ
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