恋日和。
ふらふら、のろのろ、道を進む

お、いたいた

チラッと後ろを振り返ると、やはりのろのろと走る彼を発見した

明らかに他の部員と様子が違う彼のジャージは学校指定の物ではない

ツンと立った髪の毛は一見、トサカのようだ

「あれ、詩紀やん。どないしたん?」
クラスの陸上部員の武内が声をかけてきた
「ちょっとコース間違えてしもてん」と、軽く嘘をつく
「あ、そ。気ぃ付けてね」
「あいよー」
武内に手をふり、さらにチラリ
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