催涙雨




「どうしてそこまで
こだわるのかしら‥?」



───‥わかってるくせに。



そんな悪態は心で止め
テレビのなかの天気予報士に
ひたすら願う───。




″明日は、晴れますように。″



最悪、夜だけ…ううん。
ほんとに、夜だけでいいんだ。

晴れますように。


じゃなきゃ、
会えなくなっちゃう。


1年に一度のチャンスなんだ。
どうか、壊さないで───‥



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