催涙雨




母からの哀れみの視線ほど
今のあたしを傷つけるものはない



「ほら、はやくお風呂
入っちゃいなさい。」



母に急かされお風呂の用意を
自分の部屋まで来たはいいが──


どうしても、視界に入ってしまう




『─────‥葵(アオイ)。』



アオイこと、葵。

あたしの、彼氏。



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