催涙雨
「それと…」
ふいに葵の声色が変わった。
「俺らは自分らの恋愛を、
隠したりしない。」
え…
「グループ結成の会見で、
3人とも彼女います!って
パパラッチされる前に
堂々と宣言しちゃう予定だ。」
『宣言って…』
「俺の場合、…フィアンセが
いますだけどな。」
そうはにかむ葵に
また、心が満たされる。
バッシングとか…
やっぱり不安だけど、
葵の彼女って
胸張れることが嬉しい。
「騒ぐのは最初だけだよ。
みんな応援してくれる。それに」
『あたしには恭ちゃんがいる…』
葵の言葉を遮って言ったあたしに
葵は目を細めた。
「そうだな。ひとりじゃない。
俺もいる。恭もナオヤもユウマも
みんな、海の味方だ。」
これからは、ずっと
一緒にいられる…
うれしい。
葵と一緒にいられることが
たまらなくうれしいの。