催涙雨




「年に一度しか会えないのに
その日は梅雨の時期で
会えない確率のほうが高いなんて
…俺は天の神様が
そんなひどい人だなんて
思えないけどな。」



そっかあ。

1年に一度どころか
一生会えないのかもしれない



「年に一度だけ、許された日なんだ。
天の神様だぞ?
どうにかして二人を
会わせてやるに決まってるだろ」



そうか、そうだよね。


会えないなんて
…酷すぎるもんね。


あたしも天の神様が
そんなに残酷な人だなんて
思いたくない───。




『うん。─────‥じゃあ
この雨は悲しみの涙じゃ
ないはずだよね………?』



「うん。だって───‥」



『……ん…?』



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