君がいれば
第一章



3月の下。

青い空に

飛行機雲がかかって

春前の冬の寒さなんか
忘れてしまいそうだった。



『佳代ーっ。そろそろ時間だよー。』

「うーんっ。」



桜の木は

みんなの前で開花を自慢させようと

蕾を膨らませて

誇らしげに立っていた。





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