君がいれば




『それにしてもあんた。気をつけてよ。東京の一人暮らしなんて、ましてや女なんだからね。』


「はいはい。何回も聞いたって。」



この春。
私は東京で一人暮らしを始める。

行きたい大学が、向こうにあるから。


『それともうひとつ。』

「なに?」


『そろそろ忘れて、あたしとパパを安心させてちょうだいね。』

「…わかってるよ」




< 3 / 13 >

この作品をシェア

pagetop