紅一葉。
彼は玄関に入ると一礼した。私も一礼する。

「母様。只今帰りました」

「お帰りなさい。彰さん、金嶺さん。夕食の準備を手伝ってくれないかしら?」

「分かりました」

私は割烹着を来て台所に行った。

すると玄関から声が聞こえた。どうやら郵便局の人らしい。

「佐久間 彰は居るか」

「僕ですが…」

「喜べ。召集令状だ」

私と義母は驚いだ。
当然彼も驚いている。
義母が動いた。

「何かの間違えじゃ…」

「間違えではない」

「そんな…」

義母はその場に泣き崩れた。
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