紅一葉。
「御国の為、手柄を立てて死んでこい」

「…御意」

「うむ。では失礼する」

彼は私に寄り添った。
そして義母は泣き止むと、行かないでと言った。

「母様。それはなりません。僕は市民が戦争の犠牲にならないように行くのです」

彼の意思は、固かった。
義母はそれでも諦めません。

「大丈夫だから」

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