紅一葉。
そして、その夜。
私と軍服姿の彼は森の奥に来ていた。
「何をするのですか?」
「…避けられぬ終焉は、どうかせめて金嶺の手で…」
彼は私に軍刀を差し出した。
「私には、貴方を殺めることなど出来ません!」
「頼む。願いを聞いてくれ」
「嫌だ!だって、だってそうしたら…二度と会えなくなる!」
泣きじゃくる私を、彼は宥めるように私の頭をゆっくり撫でた。
「転生という言葉がある。転生とは、違うものに変わるのだ。だから僕は、風になる」
「風?」
「風になれば、貴女の側にいれる。ずっと離れない」
「でも…彰死んじゃう」
「金嶺」
私は、鞘から刀を抜いた。
それがどんなに悪くて、非道だと分かっている。
でも私は、刀を振り上げた。
「ありがとう、金嶺」
そして、鈍い痛みが手を伝わる。
ごめんなさい。そして、
ありがとう。
私と軍服姿の彼は森の奥に来ていた。
「何をするのですか?」
「…避けられぬ終焉は、どうかせめて金嶺の手で…」
彼は私に軍刀を差し出した。
「私には、貴方を殺めることなど出来ません!」
「頼む。願いを聞いてくれ」
「嫌だ!だって、だってそうしたら…二度と会えなくなる!」
泣きじゃくる私を、彼は宥めるように私の頭をゆっくり撫でた。
「転生という言葉がある。転生とは、違うものに変わるのだ。だから僕は、風になる」
「風?」
「風になれば、貴女の側にいれる。ずっと離れない」
「でも…彰死んじゃう」
「金嶺」
私は、鞘から刀を抜いた。
それがどんなに悪くて、非道だと分かっている。
でも私は、刀を振り上げた。
「ありがとう、金嶺」
そして、鈍い痛みが手を伝わる。
ごめんなさい。そして、
ありがとう。