身を焦がすような思いをあなたに
呪われし赤子
「ああ…!」


若い男が、泣き崩れ、とりすがっているのは、もはや見る影もない姿になってしまった彼の妻だ。

「どうして…」

嗚咽の合間に思わず漏れた言葉も、それ以上は続けることができなかった。

本人はもちろん、その場にいた誰もが、「どうして」こんなことになったのか、見当だけはついていたからだ。


「俺のせいだ」

ひとしきり泣いた後、彼が、ようやく絞り出した言葉はこれだった。

いや、正確に言うなら、彼だけのせいではない。彼と、その腕の中で息絶えている彼の妻、二人のせいだ。


心の中でだけ、彼はこうつぶやいた。「君と俺の力を、この子が受け継いだから」と。
やはり、同じ血族間の婚姻は、避けねばならなかったのだ。周りの老人たちに言われたことを、今では痛みを伴うほどの強い後悔の気持ちで、思い出す。

「朱実(あけみ)の力は強い。従兄弟のお前との間に子どもが生まれたら、その子はとんでもない力を持つことになる」と、散々反対されたにもかかわらず、彼らは結婚したのだった。

傍らに寝かされた、赤ん坊を、涙で滲んだ目で見やりながら。
それは、明らかに異様な光景だった。

産まれたばかりのその子を、産湯にすら入れていない。火がついたように泣き叫んでいるのに、誰も抱くことすらしない。


いや、正確に言えば、抱くことが、できない。


なぜなら、この若い男とその妻の子どもである、この赤子こそが、母親を死に至らしめたのだから―――。
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