novelette
光る部屋
その素敵で綺麗な「光る部屋」を今もずっと見ている…


「僕の部屋においでよ」
彼は私にそう言った。

…最初はクローバーだった。私が友達と四葉のクローバーが見たいと話していたのを聞いた彼が「見つけてあげる」と言った。

数日後彼に、
「僕の部屋においでよ」
見せたいモノがあると誘われた。
そこで見せてもらったのは、床一面の四葉のクローバー。
そんなに広い部屋じゃないけど、一面と言うのは大げさだけど…それでもやっぱり信じらんない数の幸せのクローバー。

息を呑んだ。
素直に驚いた。
スゴイ!スゴイよ!

あの時はしゃぐのは当然だと思うし、後悔はしてないけど、その時のことが全てのきっかけだったんだなと思う。

それから彼は度々、
「僕の部屋においでよ」
見せたいモノがあると誘ってきた。

最初はよかった。珍しかったり面白かったり、楽しかった。
けどだんだん飽きてきて面倒くさくなっていった。
一緒にいた友達は行かないと言うようになり、でも誘われるから私だけでも仕方なく行く。

嫌々に思う様になったら、全てが面白くなくなり、早く帰りたい一心だった。
それでも彼のことを考えて一応驚いたりはした。何も反応しないと哀しそうな顔をするから。



そんな日々が続いたある日…

私は本当の恐怖を知ることになった。



「僕の部屋においでよ」

いつものように…

彼の家に…

いつものように…





あれ?

すごい静かな気がする…いつもはおばさんが笑顔で迎えてくれるのに…出掛けてるのかな?

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