俺にしとけよ。

「ちょっと化粧とかしてる?」
「……し、してないです」

すればよかったかな。

心配そうな顔をしたあたしに、
愁さんは言ってくれた。

「俺、すっぴんのが好きだよ」
「ホントですか?」
「うん。それに、すっぴんでも侑子は
 可愛いし」

何気に呼び捨てにしてくれた。
< 211 / 333 >

この作品をシェア

pagetop