俺にしとけよ。

宇治原と樹季もいい感じだし、
ちょーどいいや。

「ちょっと来いよ」
「ひゃわ、なんでぇ!?」

じたばたする江嶋をかつぎ、外に出る。

ヒュゥッと生暖かい風が吹き、
江嶋の長い髪が揺れる。

「………言ってみ」
「桧垣君のバカ」
「バカでいいから。何があった」
「何もないっ!……ただ」

ただ。
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