BONE...《生まれた意味》のレビュー一覧
平均評価星数
5.0
2008/04/26 11:58
投稿者:
上杉漱五郎
さん
心の深淵を純粋に、声にならない声で叫ぶ
闇の中より溢れ出し、突き抜けてくる本音の文学。 “生の意味”これを安易に問うところを超越した境地に、この作品の世界は見事存在している。 一つの命を考えた。 またそこから、その意味を考えた。 すると主人公の本音が聞こえてくる。 すれば、その特質なる世界観の門が開く。 …相対的な命の意味を問うているのではない。 絶対的なる主人公だけの命の意味を問うているのだ。 “命”そのものは絶対に大切であるに違いない。 しかし“主人公だけの命”に焦点を当て、もっと大切に汲み取りたい。 一貫して文は脈を打ち、鼓動をしている。 また主人公の立場を、至言と形容して誇張では無い程、巧みな代名詞と描写で表しきったと思う。 事後の展開も非常に深かった。 “生きている意味”…ならばいつの日かそれを見つける事を、生きる意味としてやろうじゃないか。
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