[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
目に映るもの全てゆがみはじめた。
涙と震えが止まらない。
やめろ。
あれを思い出させるな。
「あの時の流維の顔、あれは本当に笑えたなぁ」
麻白は話し始める。
「おまけに、青を庇って……。
結局死んだんだろ?」
心拍数はどんどん上がっていく。
やめろやめろ!
兄ちゃんは、私を庇って死んだ。
そんなこと、わかってる。
「今やっても、流維は助けてくれるのか。
それとも……夜桜の奴か?」
私は顔をバッとあげる。
「よ……ざくらには……なにも、し、ないで!」
また、誰かが巻き込まれるなんてごめんだ。
「……へぇ」
麻白が何か新しいことを発見したかのようにニヤリと笑う。
「じゃぁ、今すぐ夜桜の奴を呼んでやろうか」
麻白はポケットから携帯をとりだす。