[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
そして、どこかに電話をかけ始める。
私は立ち上がって携帯を取り上げようとする。
しかし、立ち上がることができない。
「やめて。
やめて!!」
ただ、叫ぶことしかできない自分が憎い。
どこかにつながったらしく、麻白が話し始める。
「……真田青は俺らが預かった。
返してほしければ、総長と幹部だけで時雨-シグレ-の倉庫にこい」
それだけ言って携帯をたたんでポケットにしまった。
「はは。
今から来るってさ。
お前の大事な大事な夜桜の奴がな」
その言葉に、私は何も言えなくなる。
ただ、さっきよりも涙があふれるだけだった。
「な……んで?
どうして……?
なんでお前は……!!」
いつも私の大切なものを奪っていく。
せっかく自分の居場所を見つけたのに……!!
麻白は、私を見下ろして笑う。
「お前に、居場所なんかねぇよ」