[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
麻白は携帯を閉じてポケットにしまう。
「俺さぁ、ずっと待ってたんだ」
少しずつ近づいてくる麻白。
私は部屋の隅に逃げる。
「流維を倒して、俺が紅葉の総長になるんだ。
んー。
あれだよ。
ゲコクジョウ? ってやつ」
カラカラと笑う。
恐い。
このときに、私に生まれた感情。
ただ近づいてくる麻白が恐くて、足がガクガク震えた。
喧嘩の腕は麻白より上だったのに、動けなかった。
「麻白ー?」
兄ちゃんの声が聞こえた。
「にいちゃ……!」