[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「お前ら……やれよ」
麻白の低い声で、周りの人たちが一斉に兄ちゃんに飛びかかる。
「青、少し待ってろ」
続けて兄ちゃんの低い声が聞こえてきた。
兄ちゃんは少ししゃがんで駈け出す。
敵は、一人一人倒さずに、一人をなぎ倒して周りの人を巻き込んで倒していく。
ここで、今更ながら兄ちゃんは№1なんだと実感した。
「ハハッ……。
さすが総長さん。
でも、早く来ないと……」
麻白がナイフをポケットから取り出した。
そして、私の背中を切りつける。
「~~っ!! んんっ!!」
「青っ!!」
痛い。
痛い……!!
床に一滴、また一滴と紅い汁がおちる。
背中が炎で包まれてるように熱い。
「さぁて、次はどこを切りつけてやろうか?」
耐えきれず涙をボロボロとこぼした。