[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
第六章
すべてがゆっくりに見えた。
私は兄ちゃんに引っ張られ、私がいた場所には兄ちゃんがいる。
ナイフが、兄ちゃんの背中に刺さっていくのがはっきりとわかった。
グチュリと嫌な音がする。
「……っ」
兄ちゃんの額から汗が垂れてきた。
「……妹護るために自分を犠牲にすんのか」
麻白は表情を変えずにナイフを兄ちゃんの背中から引き抜いた。
ナイフは、真っ赤に染まっている。
私の血と兄ちゃんの血が混ざりあって、床に落ちた。