[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「そこからのことは、あんまりよく覚えていないんだ」
大体のことを圭一に話した。
「けど、あの人格があそこで生まれたのは覚えてる。
それと……兄ちゃんが死んだことも……」
思い出したら、また涙があふれた。
圭一は、私を優しく抱きしめた。
「青の兄貴が死んだのは、お前のせいじゃない。
それに、大事な妹を護れたんだ。
本望だろ」
なんで、圭一はこんなに優しくできるんだろうか。
「……兄ちゃんっ……。
ごめん、なさ……。
ありがと、う」
とぎれとぎれで言えてなかったけど、やっと言えた。
久しぶりに、声を出して泣いた。
圭一の腕は、とても温かかった。