[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
いろんなところから美味しそうな匂いが漂ってくる。
周りにはキャッキャと小さな子供のようにはしゃぐ生徒たち。
「ここが、圭一たちの通ってる高校?」
私のすぐ隣にいる鈴に聞く。
「そーみたい。
とりあえず圭一たちのとこに行くか。
クラスは……2―Dだな」
圭一から渡されたメモを見ながら鈴が答えた。
校舎の中に向かって歩き出す。
私は鈴の服の裾をつかみながらついて行った。
人に押されてはぐれそうだし……。
「そっちじゃなくて、こっちつかんどけ」
鈴が手を出してくる。
「……ありがと」
私は素直に差し出された手を握った。