[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「圭一!!」
私は椅子を下りてパタパタと圭一のもとへ駆け寄った。
しかし、少しの違和感を抱く。
圭一が……タキシード着てるっ!
「ほわぁー」
なんだ、執事か!
執事なのかっ!
胸元に目をやると、名札らしきものに【タケ】と書いてあった。
「……なんでタケ?」
「【た】かくら 【け】いいちだから」
なるほど。
「それより、来たんだなー。
文化祭」
圭一は私の脇に手を入れてヒョイと抱き上げる。
「きたよー。
鈴もあそこでおねぇ様に口説かれてる」
おねぇ様に言い寄られてる鈴を指差す。
「あぁ、あれは放っておいても大丈夫だろう」
圭一は苦笑い。
いいのか……?
「高倉ー。
誰だよその子?」
「小さいけど可愛いな」
2人の男がやってきた。
そのうちの一人が私の頭をなでる。
なんで皆私の頭ばっかりなでるんだ……。
そう思いながらも逆らわずにおとなしくなでられる。
なんかくすぐったいなぁ……。
「こいつは、俺らの仲間。
真田 青」
私の名前を圭一が言うと、二人はああ、と納得する。
「あの夜桜のお気に入りか」
「噂には聞いてたけど、こんなに可愛いとはなぁ」
頭をなで続ける一人。