[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「えー……」
おいてけぼりをくらった鈴は困った顔。
「コラー!
仕事中だろー!」
長いツインテールを下げたメイドさんが腰に手を当てて軽く叫んだ。
……可愛い。
これはオタク受けしそうな顔だな。
まぁ、私たちから見ても可愛いと思うけど。
整った顔に栗色の髪のツインテールが良く似合っている。
あれは地毛なのだろうか。
「ゴメンネ?
この人すぐ人さらっちゃうからさ」
膝を折って私の目線に合わせて話してくれる。
私の身長が低いだけかもしんないけどね。
「これ、ちょっとしたお詫び」
私の手にキャンディーを置いて二コリと笑った。
……いいなぁ。
なんか、ほわっとする笑いだ。
「ほら、仕事に戻るよっ」
おねぇ様の手を私の腕から無理やり離し、また仕事に戻っていく。
「そんじゃ、俺らも回るか」
鈴がまた手を出してくる。
私はなんのためらいもなくその手を握った。