[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「あほー。
こんなんだから彼女の一人もいないんだ……」
小さくボソッとつぶやいた。
しかし、このつぶやきは櫂に聞こえていたらしい。
「俺、彼女いるけど」
一瞬、時間が止まったかと思った。
今の私の顔は、周りからみたらものすごく笑える顔だろう。
その証拠に、私の目の前にいる櫂は大爆笑。
「……聞いてないけどっ!?
いつの間にっ!?」
「あー。
言ってなかったっけ?
先週あたりできた」
し……知らなかった……。
私が黙りこんだのを櫂はやきもちと受け取ったらしい。
「大丈夫だって!
ちゃんと青もかまうから!
彼女ができたからってそんなに変わるわけでもないし」
櫂は私の頭をポンポンとたたいた。
まぁ、寂しいっちゃ寂しいけど……。
「かーーいーー!」
教室の後ろのドアから顔を覗かせ叫ぶ女の子。
ほとんどの人の視線が集まった。
「噂をすれば……。
愛弥!」
アヤと呼ばれた女の子。