[改良版]小学生と暴走族【夜桜】





「ま、まてっ!」


愛弥さんの隣にいた男がようやくしゃべった。


んー。


顔も名前も知らんわ。


「清弥(セイヤ)っ!
その子捕まえて!」


愛弥さんの言葉に従い、清弥と呼ばれた男は私の腕を掴んで引っ張ってくる。


「うっざいなぁ……」


私は小さくつぶやき、逆に清弥の腕を掴んで床にたたきつけた。


軽くだからどこも折れたりはしていないだろう。


「かはっ」


清弥は勢いよく口から息を吐き出した。


「そんじゃ、行きますかー」


茫然としてる愛弥さんを置いて、圭一たちを探しに行った。


とりあえず2-D行ってみるか。


「あ、青~!
どこにいたんだよまったくー」


……その必要はなかったみたいだ。


後ろには鈴、圭一、櫂。


3人とも立っていた。


今思ったんだけど、何を話せばいいんだ?


あの清弥って人が、№1を狙ってる(?)こと?


それとも愛弥さんが実は夜桜を探るために櫂に近づいたこと?


わからん……。


勢いで突っ走ってきてしまった。


「ほれ。
とりあえず、櫂も休憩貰ったから屋台回ろうぜ」


圭一が言う。


まぁいいかな?


校舎から外に出ようとしたとき、放送のチャイムが鳴った。



――ピンポンパンポーン



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