[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
放送室につくと、櫂は乱暴にドアを開けた。
「あ、か、櫂!」
中では愛弥さんが暇そうに椅子に座っていた。
「どした?」
「どうしたじゃねぇっ!!」
急にどなった櫂に、私と愛弥さんの肩が跳ねた。
「お前。
最低だよ」
櫂が愛弥さんのことを睨みながら、低い声で言った。
「今すぐこの鬼ごっこは終わったって放送しろ」
私は、櫂から放たれている殺気に泣きそうになった。
櫂が……怖い……。
海に行った時とは別の怖さ。
無意識に圭一の制服を握っていた。
「でっ、でも……」
愛弥さんは涙目になりながら言う。
「早く」
それを櫂が一喝。
愛弥さんはあわてて放送のスイッチを押す。
『こんにちは。
今回の特別企画、鬼ごっこは……、た、ただいまをもってしゅ、すうりょうとさせていただき、ます』
結構噛んでた。