[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
第七章
12月。
「雪合戦しよう!」
皆で、倉庫でぬくぬくとあったまっていた時、急に圭一が言いだした。
雪合戦ですと!?
確かに外は大雪だけど……。
「雪合戦しよう!」
また言った。
その顔は小さな子供のように輝いている。
「いきなりなにっ!?」
鈴が立ち上がって言った。
「雪合戦しよう!」
本日3度目。
「あいつな、雪降ると必ず言いだすんだよ……」
櫂が私の耳元で圭一に聞こえないように言う。
「俺とあいつが出会ってからずっとだぞ?
言いだすともうやるまで聞かねえから」
……今の圭一を見れば、十分信用できる話だろう。
「なんでこんな寒……」
「雪合戦!」
圭一が鈴の言葉をさえぎって言った。
「青はやりたいよなっ!?」
……だからなぜ毎回私にふるんだ!
私は鈴と圭一の顔を交互に見る。
鈴は、ぜってぇやりたくねぇ。
って顔。
圭一は、やりたいやりたい!
って顔。
「ぅ……わ、私には決められませんよ!」