[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「っしゃぁああー!
勝ったぁー!」
隣では鈴がバチを持ったままばんざいをして喜んでいる。
一方私は……。
「……なんでぇ?」
バチを床にカランと落として落胆していた。
いつもなら片手でもフルコンボできる曲。
それがノルマクリアすらできない……?
「うー……」
「今回は俺の勝ちだな!
……と言いたいところだけど」
鈴が座ったままズリズリと近づいてきた。
そして、私のおでこに手を当てる。
「……青、やっぱ熱あるぞ」
……熱ですとー?
「そんなのないよー!
きっと倉庫内が暑いから!
私は小学校に入ってから一度も熱など……」
立ち上ろうとしたのだが、膝がカクッと折れて床に座り込んだ。
あれだ、あのー。
膝かっくんされた感じ。
「まったく……。
自分でも気づいてなかったのかよ?
ほら。
ベッド行くぞ」
鈴に抱き上げられる。
なんかねー。
そういう風に言われて自覚すると……。
「……頭が痛いようなきがするようなきがする」
「どっちだよ」