[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
俺は青をより強く抱きしめる。
寂しくないはずがないよな。
兄貴も失って。
母親も失って。
青、家ではどうしてんだ?
いつも笑ってるけど、ほんとは……。
「んー。
おはよぉ~」
腕の中の青が目をこすりながら俺の顔を見る。
「おぉ。
おはよ」
「なんかね。
夢の中で……兄ちゃんが出てきたよ」
青は口角をあげてニッコリ笑う。
「兄ちゃんは、ずっと笑ってるだけだったけど」
……それで兄貴のこと呼んでたのか。
「ぬー。
苦しいぞぉ~」
腕の力を緩めた。
「……寂しかったら、俺たちに言えよ」
俺は青の目を見て言う。
「……寂しくないよ。
鈴たちがいるもん」