[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「ということで、今日もゆきが……」
「しないからっ!」
未だなでている圭一の手を力の限り叩く。
パンッといい音が倉庫に響いた。
「いってぇ~」
圭一は自分の手の甲を開いている手でさする。
見事に手の跡がくっきりと残っていた。
「病み上がりなのに雪合戦とかさせるほうが悪い」
私はテーブルの上に置いてあるミカンを取った。
それをむき始める。
やっぱ冬はミカンでしょ。
爪が黄色くなるけどね。
食べ過ぎると気持ち悪くなるからほどほどに。
むき終わってテーブルの上の皮を片付けようとしたところ……
「半分もーらいっ」
右から櫂の手が伸びてきて、ミカンを半分かっさらっていった。
「あー!
私がむいたのに!」
「ここでは早い者勝ちだぜ」
フフンと鼻から息を出して笑う櫂。
こんのぉ~。
「それじゃ冷蔵庫にある櫂のヨーグルト食べちゃうからな!」
私は残りのミカンを口に放りこみ、冷蔵庫へと向かった。
「あ、タンマタンマ!
ごめんって」