[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「青っ!!」
しかし、女のカッターは青には当たらなかった。
先ほどまでいた場所に青はおらずどこだと探せば……
「……にしてくれてんだこのクソ女がぁっ!!」
女は青の足に蹴り飛ばされ、2・3メートル吹っ飛ぶ。
あれ、どっか折れたんじゃねぇか……?
「ふぅ……」
溜息をついた後、こちらを見る青。
いや、青じゃない……。
前に2度見た、あの人格。
「あ?
なんだ、圭一か」
一瞬警戒した目をむけるが、俺だと分かったのか、安心したような目をむける。
「久しぶり……って表現はおかしいか?」
「まぁ、合ってないこともねぇな。
確かに、会うの久しぶりだし。
……あ、そうだ」
頭の後ろで腕を組む。
「俺の名前、適当だけど“黒”っつーんだ。
これからはそう呼んでくれ」
ニカッと笑う……黒は、青の顔でありながら、少年そのものだった。