[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「そういえば……。
デコ、大丈夫か?」
「あ?
大丈夫ってなにが?」
「さっき、青が思い切り電柱にぶつけてた」
俺は自分のデコを指差す。
「んー。
自分じゃわかんねぇや。
圭一、ちょっと見てくれ」
前髪をあげて俺に見せてくる。
俺はしゃがんで青のデコを見た。
「やっぱ結構腫れてるな」
見事にぽっこりタンコブができてしまっている。
「倉庫行って冷やすか」
膝を伸ばして立ちあがる。
「俺は別に平気だが、青がダメだもんな」
黒は足取り軽く倉庫へと歩き出す。
「倉庫の場所、知ってんのか?」
「青の知ってることなら知ってるさ。
それより、この女、ここに放置しておいていいよな?」
俺は気絶している女をちらりと見る。
「殺されそうだったんだから正当防衛。
俺に罪はない」
……まぁいいか。
俺は黒に続いて歩き出した。