[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「うー。
だんだん痛くなってきた」
「さっきより腫れてきてるぞ。
どんだけ強くぶつかったんだ青」
「青は大事な時にバカになるからな」
痛みをこらえながら笑う黒。
ぽっこり腫れたデコは見るからに痛々しい。
「今思ったんだが、黒はいつ戻るんだ?」
もう敵がいないなら、戻っても大丈夫だろう。
「こんな痛い状態で青に戻せるかよ。
痛みが大体ひいたら戻る」
黒は、心の痛みだけでなく身体的な痛みも引き受けるらしい。
「優しいんだな」
青にやるように頭をなでると、
「子供扱いすんな。
それに、青にはいろいろと世話になったからこうやって引き受けてるだけだ。
何もなかったらさっさと戻ってるっつーの」
この言葉は、ただの照れ隠しだろう。
顔が赤いのに本人は気付いていないらしい。
俺は「はいはい」と笑った。
ぜってぇバカにしてるだろ……とすねる黒。
なんだか、可愛く見えてしまう。
「黒は、どうやって喧嘩を覚えたんだ?」
「……しらねぇよ。
生まれたときから喧嘩は得意だった。
青の素質じゃねぇ?」